なぜ雨漏りが起きるのか?
雨漏りは、建物の劣化や自然環境による影響によって、屋根や外壁の隙間から雨水が内部に浸入することで発生します。特に屋根は紫外線や風雨に常に晒されているため、屋根材や塗装の劣化が進むと、雨漏りが発生しやすくなります。
屋根で起こる主要な雨漏りの原因5選
雨漏りの主な原因には、屋根のさまざまな構造的な問題や素材の劣化が挙げられます。ここでは、特に注意すべき5つの雨漏り原因について詳しく解説します。
1-1. 屋根材のズレや割れ、浮き
瓦やスレートなどの屋根材は、地震や強風、経年劣化によってズレたり割れたりすることがあります。このような状態になると、屋根材の隙間から雨水が浸入し、下地にまで水が届き、雨漏りを引き起こします。屋根瓦の場合、1枚でも瓦にズレがあるとその隙間から雨水が浸入しやすくなります。台風の後は瓦の状態を確認することも雨漏りを防ぐために大切でしょう。
1-2. 棟板金(むねばんきん)の釘浮き
屋根の棟部分を覆っている棟板金は、釘で固定されていますが、強風や台風によって釘が浮いてしまうことがあります。釘が浮くことで棟板金が不安定になり、隙間ができて雨水が浸入する原因となります。棟板金の釘浮きは、雨漏りだけでなく、屋根全体の強度低下を引き起こす可能性があるため、早めの補修が必要です。
1-3.雨仕舞(あまじまい)板金からの雨漏り
「雨仕舞」とは、雨水が屋根から建物内部に侵入しないように施す防水処理のことを指し、雨仕舞板金はそのために取り付けられる部材です。しかし、経年劣化や施工不良があると、雨仕舞板金の隙間から雨水が浸入し、雨漏りを引き起こすことがあります。特に、屋根の端や壁との接合部などは雨漏りが発生しやすいため、重点的に確認しましょう。
1-4.防水シートからの雨漏り
屋根材の下には防水シートが敷かれていますが、このシートが劣化すると雨水が浸入しやすくなります。防水シートは屋根の防水機能を保つための重要な部分であり、通常15~20年ほどで劣化が進行します。防水シートの寿命が近づいている場合は、早めの張り替えが雨漏り予防に役立ちます。
また、ベランダにはウレタン塗膜防水やFRP防水工事がされますが、経年劣化やひび割れがあると、そこから雨水が浸入し、建物内部に達してしまいます。ベランダは特に水が溜まりやすい場所のため、ひび割れのチェックや防水層のメンテナンスを行い、水の侵入を防ぐことが重要です。
1-5.屋根の縁切り不良
スレート屋根やコロニアル屋根では、屋根材の隙間から水が入り込むことがありますが、縁切りが適切に行われていないとその水が排水されず、屋根内部に溜まってしまいます。こうした状況では水分が抜ける道がないため、内部で水分が滞留し、最終的には雨漏りが発生する可能性があります。
雨漏りが発生したときの応急処置方法
雨漏りが発生した際の応急処置は、次のような方法で行うことができます。
2-1.雨水の流れを止める
まずはバケツや雑巾で雨水が他の場所へ広がらないようにすることが重要です。水を受けるバケツを設置し、周囲の床が濡れないようにタオルや新聞紙を敷いておきましょう。
2-2.屋根にブルーシートをかける
外に出られる場合は、応急的にブルーシートをかけて雨水の侵入を抑えましょう。シートの端を屋根にしっかり固定し、風で飛ばされないようにすることも大切です。
2-3.プロへの早急な連絡
応急処置はあくまで一時的な対応のため、早めに専門業者に相談し、屋根や外壁の補修を依頼することが必要です。
瓦屋根の雨漏りを予防するためには定期的な点検・メンテナンスが大切
瓦屋根の雨漏りを防ぐためには、定期点検とメンテナンスが欠かせません。
3-1.屋根材の状態確認
瓦のズレや割れ、スレートのひび割れなど、屋根材に問題がないかチェックすることが大切です。
3-2.棟板金や釘の状態確認
棟板金の釘浮きは、雨漏りや強度低下の原因となるため、定期的に点検を行い、釘の緩みや浮きを見つけた場合は早急に補修しましょう。
3-3.シーリングや防水層の確認
シーリング材や防水シートは、耐用年数が過ぎると防水性が低下します。劣化が見られる場合は早めに打ち直しや張り替えを行うことで、雨漏りのリスクを軽減できます。
まとめ
雨漏りは屋根や外壁のちょっとした隙間から雨水が入り込んで発生します。例えば、屋根材がズレたり割れたり、防水シートが古くなったり、釘が緩んで隙間ができてしまうと、そこから水が入り込んで雨漏りしやすくなります。
雨漏りが起きたまま放置してしまうと、建物内部の木材や壁が水を吸って腐ったり、湿気でカビが生えたりしてしまい、家全体の劣化が進んでしまいます。しかも、カビが広がると室内の空気も悪くなって、住んでいる人の健康にも良くない影響が出ることも。
だからこそ、定期的に屋根や外壁の点検をして、少しでも不具合があれば早めにメンテナンスすることが大事です。